2025.04.20 Category REPORT Reading 7 min

OpenAI Preparedness Frameworkは何を測るのか——HighとCriticalの考え方

フロンティアAIの安全性は、モデルを出してから考える問題ではない。高度な能力が、どの時点で深刻な被害につながりうるかを先に測り、対策を整える必要がある。

OpenAIは2025年4月にPreparedness Frameworkの更新を公表した。これは、深刻な被害につながりうる高度AI能力を測定し、防護策を整えるための枠組みである。

評価対象は「賢さ」ではなく深刻な被害への経路

Preparedness Frameworkの主な構成
要素意味
Tracked Categories生物・化学、サイバー、AI自己改善など成熟した評価対象
Research Categories長期自律性、sandbagging、自己複製など研究中のリスク
High既存の深刻被害経路を増幅しうる能力
Critical前例のない深刻被害経路を開く能力

OpenAIは、High能力に達するシステムは、関連する深刻リスクを十分に最小化する防護策なしにデプロイすべきでないと説明している。Critical能力では、開発中にも防護策が必要になる。

自主フレームワークには限界もある

Preparedness Frameworkは、企業が自ら設計する安全枠組みである。評価、Safety Advisory Group、リーダーシップ判断、Capabilities Reports、Safeguards Reportsといった仕組みは重要だが、外部規制そのものではない。

読む側は、何を評価対象に含め、何を外しているかを見るべきだ。企業の安全フレームワークは、透明性の材料であると同時に、自己規律の限界を点検する材料でもある。

この記事の限界

  • この記事はOpenAIのPreparedness Framework更新ページをもとに、枠組みの位置づけを整理したもの
  • 具体的な評価手法、モデル別の判定、Safeguards Reportsの内容は個別文書で確認する必要がある

出典(2026年7月7日閲覧): OpenAI「Our updated Preparedness Framework」(openai.com

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サク
UMT株式会社 取締役 / フォースネット株式会社 執行役員

IT業界25年のエンジニア(コンサル・プロダクトマネージャー15年、Python 10年)。2児の父として、AIを使った家庭学習の仕組みを自作して毎日運用し、地元・横浜/鎌倉ではAI・パソコン教室も不定期に開いている。このサイトには、教育とAIについて調べたこと・考えたことと、その道具を置いている。