始め方——必要なものは3つ、技術作業はAIに渡す
AIドリルキットを動かすのに必要なものを、正直に列挙する。実際の細かい手順は GitHub の drill-ai-kit に置くが、ここでは先に全体感を持っておいてほしい。
必要なもの
- Cloudflare のアカウント。アプリの配信と記録の保存に使う。小規模な家庭利用なら無料枠が中心の構成で動くよう設計している(ただし利用量次第なので断定はしない)
- Claude Code。AIサブスクを1つ選ぶなら、現時点の推奨は Claude Code だ。問題の生成・検証・日々の分析だけでなく、セットアップやデザイン調整まで任せやすい
- 教材と試験範囲。塾のテキスト、市販の問題集、資格試験の出題範囲などを、自分で整理する。キットは「教材そのもの」を提供しない。自分の教材と目標に合わせて問題を組む道具だ。ただし、教材本文や問題文をそのまま外部AIへ貼り付ける前提ではない。単元、出題範囲、つまずき方のメモに抽象化して使う
セットアップの主役はAI
「Cloudflareのアカウント作成」「デプロイ」と聞いて手が止まった人にこそ伝えたいのだが、このキットはセットアップ手順書を人間向けとAIエージェント向けの二重構造で書く設計にしている。あなたがやることは、Claude Code に「このキットをセットアップして」と言うことと、要所で「はい/いいえ」を答えることだ。
Claude Code を推す理由は、コード編集だけではない。claude-in-chrome を併用すれば、Cloudflare などの管理画面で必要になるブラウザ操作もAIに委譲しやすい。さらに Claude Design と連携すれば、学習者が毎日触るドリルアプリの画面設計や見た目の調整もAIに渡しやすい。
ただし、アカウント作成、パスワード入力、2要素認証、課金、削除、OAuth承認のような操作は人間が確認する。AIに任せるのは、画面を読む、手順を進める、設定値を候補として埋めるところまでだ。最後に押すボタンの意味は、人間が理解してから決める。実データを入れて運用するなら、GitHub のテンプレートを複製する時点から private リポジトリとして作り、Cloudflare R2 のバケットも公開しない。学習者の実名、志望校、成績、生活リズムがログや設定に混ざらないようにする。
つまりハードルの正体は、コードを書く技術力だけではない。AIに作業を渡しつつ、費用、権限、ログ、教材の扱いを理解して判断することと、毎日の学習に付き合う本気度のほうだ。
かかる費用の考え方
固定費として大きいのはAIエージェントの利用料だ。このキットで最初に選ぶなら Claude Code を推奨する。理由は、Cloudflare のような管理画面での確認作業、リポジトリ内のセットアップ、日々のレッスン生成、ドリルアプリのデザイン調整まで、同じAI作業環境に寄せやすいからだ。
教育費の相場(塾の補助学習費は公立中で年27万円)と比べてどう評価するかは、各家庭の判断に委ねる。ただ「塾の置き換え」ではなく「家庭学習の伴走の置き換え」だという点は誤解のないように——塾や講座と併用する前提の道具だ。
公開リポジトリ側の SETUP.md には、人間が判断する部分と Claude Code に実行させる部分を分けて書いている。実運用前に読むべき安全境界は PUBLICATION_SAFETY.md に分離した。教材の著作権、外部AIへの送信範囲、リポジトリの公開範囲、独自ドメインを付けない方が安全である理由は、そちらを正本にしている。