教育費の実額——全公立で614万円、全私立で1,969万円
子ども1人の教育費は、実際いくらかかるのか。文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」(2024年12月公表)の実額を確認する。
学校段階別の年額
| 学校段階 | 公立 | 私立 |
|---|---|---|
| 幼稚園 | 18.5万円 | 34.7万円 |
| 小学校 | 36.7万円 | 174.2万円 |
| 中学校 | 54.2万円 | 156.0万円 |
| 高校(全日制) | 59.7万円 | 117.9万円 |
差が最も大きいのは小学校で、公私の比はおよそ1:4.8。幼稚園3歳から高校3年までの15年間を単純合計すると、すべて公立で約614万円、すべて私立で約1,969万円になる。
塾代の逆転現象
学習費の内訳にある補助学習費(塾・家庭教師・自宅学習等)には、直感に反するデータがある。
| 学校段階 | 公立 | 私立 |
|---|---|---|
| 小学校 | 約11.2万円 | 約36.6万円 |
| 中学校 | 約27.2万円 | 約23.7万円 |
小学校では私立が公立の3倍以上(中学受験対策を含むため)。ところが中学校では逆転し、公立中の家庭のほうが塾に多く払っている。高校受験の準備が公立側に乗るためだ。「私立は高い、公立は安い」という比較は、学校に払う額だけを見ると正しいが、塾代まで含めると差は縮む——教育費は、学校の外まで含めて設計する必要がある。
塾市場は1兆円弱で横ばい
矢野経済研究所によれば、学習塾・予備校市場は2024年度で約9,850億円。少子化にもかかわらず1兆円前後で停滞(=子ども1人あたり単価は上昇)している。教育産業全体では約2兆8,556億円。
この記事の限界
- 学習費調査は「平均」であり、受験学年の実支出は平均を大きく超える(中学受験の実態は別レポート)
- 15年総額は各学年平均の単純合計で、物価変動・制度変更(高校無償化等)を織り込まない
出典(2026年7月6日閲覧): 文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」(結果のポイントPDF・調査ページ)/ 矢野経済研究所「2025年版 教育産業白書」(yano.co.jp、報道: ReseEd)
NISA口座2,700万、現預金比率は18年ぶりに5割割れ——家計のお金が動き出した
金融庁と日銀の統計で、新NISA開始後の家計の変化を確認する。「こどもNISA」の制度化も動き出した。
REPORT通信制高校の生徒が30万人を超えた——入学者の57%は中学3年で不登校だった
通信制課程の生徒数が令和7年度に30万人を超えた。学校基本調査の推移と、文科省が2026年4月に公表した通信制高等学校実態調査(速報版)から現在地を確認する。
REPORT中3の54.6%・高3の52.4%がCEFR目標水準に到達、政府目標6割にはなお届かず——英語教育実施状況調査
文科省「令和7年度英語教育実施状況調査」から、中3のCEFR A1相当以上54.6%・高3のA2相当以上52.4%という達成率と、その数字が何を測っているのかを確認する。