2026.06.04 Category REPORT Reading 8 min

EU AI Actは何をリスクで分けているか——禁止・高リスク・透明性・最小リスク

EU AI Actは、AIを一律に禁止する法律ではない。欧州委員会の解説では、AIシステムをリスクに応じて扱う枠組みとして説明されている。

欧州委員会はAI Actを、世界で初めての包括的なAI法的枠組みと位置づけている。目的は、欧州で信頼できるAIを育てることだ。

4つのリスク水準

EU AI Actのリスク区分
区分扱い
Unacceptable risk明確な脅威とされるAI利用を禁止
High risk健康、安全、基本権に重大なリスクを及ぼしうるAIに厳格な義務
Transparency riskAI利用やAI生成コンテンツで人に知らせる義務
Minimal or no risk多くのAI利用はこの範囲で、追加規制は限定的

禁止対象には、社会的スコアリング、脆弱性の搾取、職場や教育機関での感情認識などが含まれる。高リスクAIには、教育、雇用、信用、公共サービス、司法、移民・国境管理など、人の機会や権利に関わる領域が入る。

企業に効くのは「どのAIか」の分類

EUでAIを提供・利用する企業にとって重要なのは、自社のAIがどのリスク区分に入るかだ。チャットボット、採用AI、教育評価、信用審査、医療機器、生成AIでは、見るべき義務が違う。

日本企業でも、EU向けサービスや欧州顧客を持つ場合、AI Actは遠い話ではない。AI規制は国内法だけでなく、事業の市場によって変わる。

この記事の限界

  • この記事は欧州委員会のAI Act解説ページをもとに、リスク区分を整理したもの。法的助言ではない
  • 適用時期や高リスク分類は更新・簡素化提案の影響を受けるため、実務では最新のEU公式情報と法文を確認する必要がある

出典(2026年7月7日閲覧): European Commission「AI Act」(digital-strategy.ec.europa.eu

EU AI ActAI規制リスクベース欧州委員会
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UMT株式会社 取締役 / フォースネット株式会社 執行役員

IT業界25年のエンジニア(コンサル・プロダクトマネージャー15年、Python 10年)。2児の父として、AIを使った家庭学習の仕組みを自作して毎日運用し、地元・横浜/鎌倉ではAI・パソコン教室も不定期に開いている。このサイトには、教育とAIについて調べたこと・考えたことと、その道具を置いている。