インクリムが描くビジョン
私たちインクリムが育てたいのは、AIを自在に操り、未知の課題を自ら深掘りできる10代です。
AI を単なる「便利な道具」としてではなく、思考を拡張し創造力を引き出す知的パートナーとして扱えるかどうかが、これからの学びの分水嶺になります。
そこで私たちは、子どもたちが疑問を抱き、仮説を立て、検証し、成果を社会に発信する――というサイクルを自律的に回せる環境を用意します。
テクノロジーと対話しながら自分の興味を掘り下げ、地域や世界のリアルな課題解決に挑む次世代リーダーを輩出することが、インクリムの揺るぎない使命です。
教育コンセプト ― 5教科で育む「AI × 独学」の基礎力
国語・算数・理科・社会・美術――学校でおなじみの 5 教科すべてを通じて、AI を使いこなすための
独学力 を鍛えます。
各教科の学びを「AIリテラシー」という一本の糸で貫き、断片的な知識を有機的に結びつけるカリキュラムを設計。
これにより、子どもたちは「教科の枠」を超えて知識を横断し、実社会の複雑な問題を多角的に読み解く視点を身につけます。
国語:AIに伝える力を磨く
読解・表現の基礎に加え、AI へ的確なプロンプトを渡すスキルをトレーニング。
生成 AI の回答を批判的に読み解き、根拠を突き合わせる「クリティカルリーディング」も実施します。
授業では実際にチャットボットと対話し、指示の粒度や語彙を調整しながらアウトプットの品質を改善するプロセスを体感。
こうした言語化力は、プレゼンや論文執筆、さらには将来のビジネス交渉にも直結する武器になります。
算数:ロジック思考とデータ活用
Python を用いてデータを可視化し、統計的な裏付けと論理的思考の両輪で問題解決にアプローチします。
例えば、地域の気温データを分析し最適な観光ルートを提案するなど、数字を「意思決定の材料」に変換する体験型課題を用意。
これにより、データリテラシーとプログラミングスキルを同時に養い、数字を読めるだけでなく「語らせる」力を鍛えます。
理科:科学的視点でAIを疑う
実験・観察・検証のプロセスを通じて、AI が提示する結果を鵜呑みにしない態度を育てます。
例えば、AI が生成した化学実験の手順を実際に再現し、結果が一致しない場合は原因を追究。
この「なぜ?」を探し続ける姿勢が、将来の研究開発やイノベーション創出の土台となります。
社会:テクノロジー社会の理解
著作権・個人情報保護・AI 倫理など、現代社会で避けて通れないテーマをケーススタディで学習。
「AI が出力した文章に誰が責任を持つのか?」といった議論を通じ、法的・倫理的視点を身につけます。
さらに、世界の経済・政治動向とテクノロジーの関係を読み解き、グローバルな課題への当事者意識を醸成します。
美術:情報を構造化するデザイン
Canva や画像生成 AI を駆使し、ポスター・動画・インフォグラフィックなど多様なアウトプットを制作。
単に「きれいに整える」だけでなく、情報の優先順位を整理し、ストーリー性を持たせる編集力を養います。
こうしたデザイン思考は、最終的にプレゼン資料や UI/UX 設計にも活かされ、技術と表現をつなぐ架け橋となります。

演繹法を軸にした「独学力」の強化
最大の特徴は 演繹法 を授業の基礎に据えている点です。
既に知られている原理・法則を手がかりに、限られた情報から仮説を立て、検証し、結論へ導く――この一連の流れを反復練習することで、子どもたちは「少ない材料で大きな洞察を得る」思考体力を身につけます。
たとえば〈鎌倉で空き家が増えている〉という新聞記事を起点に、「観光客数は伸びているのに住民が減っているのはなぜか?」と問いを立て、人口統計データや自治体の施策を AI
でリサーチしながら、自分なりの結論を導き出す――そんな“実践型ケース”を授業に組み込みます。
このプロセスを通じて得られるのは、単なる知識量ではなく「問いを立てる力」と「検証をやり抜く粘り強さ」。AI
が補完する情報と自分の思考を往復させることで、論理と創造を両立させる学びが可能になります。
インクリムは単なる教室ではなく、AI と共生する新しい時代を生き抜くための実験場です。
子どもたちが自分の好奇心にエンジンを掛け、地域や世界のリアル課題に挑戦する――その舞台装置を整えるのが私たちの役割。
今後の取り組みにどうぞご期待ください!