2026.06.15 Category REPORT Reading 7 min

学校はAIをどう受け入れているか——ガイドライン、パイロット校、校務利用のいま

家庭より慎重に見える学校側も、動いていないわけではない。制度と数字を確認する。

ガイドラインは Ver.2.0 に

文部科学省は2023年7月の「暫定的なガイドライン」を改訂し、**2024年12月26日に「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン Ver.2.0」**を公表した。教員の校務利用/児童生徒の学習活動/教育委員会の役割という3つの区分で整理され、ハルシネーション・著作権・個人情報のリスクへの留意が明記されている。「使わせない」ではなく「どう使うか」の文書になったことが、方向としては重要だ。

実践側では、文科省のリーディングDXスクール事業に生成AIパイロット校があり、令和6年度の成果報告会には66校が参加した。2025年度は校務利用90箇所程度・教育利用10箇所程度が公募されている。

教員の校務利用は「調査によって17%にも56%にも」なる

教員が校務(授業準備・文書作成など)で生成AIをどれだけ使っているかは、調査によって大きく数字が違う。

教員の校務での生成AI利用(定義に注意)
調査数値定義
文部科学省調査17.2%教員の半分以上が校務で活用している学校の割合(前年2.7%)
MM総研(2025年11〜12月、教委1,333団体)56%教員の校務での利用経験

矛盾ではなく定義の違いだ。「学校ぐるみの活用」はまだ2割弱、「個人として使ったことがある」は過半数——つまり現在の学校のAI活用は、組織ではなく個人の熱意で動いている段階と読める。前年比では文科省調査でも2.7%→17.2%と急伸しており、方向は家庭側と同じだ。

この記事の限界

  • 校務利用の数値は調査主体・時期・設問が異なり、単一の「正しい利用率」は存在しない。上表の定義併記が現状の誠実な書き方だと考えている
  • 授業での児童生徒の利用実態(学校経由)の全国代表値はまだ薄い。パイロット校の報告が出揃い次第、続報する

出典(2026年7月6日閲覧): 文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン Ver.2.0」(PDF)/ 生成AIパイロット校 成果報告会(教育家庭新聞)/ MM総研 調査(m2ri.jp)/ 文科省 校務デジタル化調査 報道(ITmedia

学校生成AI教育行政調査データ
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UMT株式会社 取締役 / フォースネット株式会社 執行役員

IT業界25年のエンジニア(コンサル・プロダクトマネージャー15年、Python 10年)。2児の父として、AIを使った家庭学習の仕組みを自作して毎日運用し、地元・横浜/鎌倉ではAI・パソコン教室も不定期に開いている。このサイトには、教育とAIについて調べたこと・考えたことと、その道具を置いている。