高校卒業後の進路はどこへ向かっているか——大学・専門学校・就職の現在地
高校卒業後の進路は、大学進学だけでできているわけではない。大学・短大、専門学校、就職、進学準備などが同じ統計の中に並んでいる。
文部科学省「令和7年度学校基本統計(学校基本調査の結果)確定値について公表します」の表3から、高等学校等卒業者の進路を確認する。ここでいう「高等学校等卒業者」には、高等学校のほか中等教育学校後期課程と特別支援学校高等部の卒業者も含まれる。
令和7年3月は大学・短大が61.4%
令和7年3月の高等学校等卒業者は955,335人だった。そのうち大学・短大への進学者は586,639人、卒業者に占める割合は61.4%である。主な内訳は大学(学部)が557,170人・58.3%、短期大学(本科)が24,657人・2.6%だった。この2つを足しても586,639人には届かない。文科省の定義では、大学・短大への進学者に大学・短期大学の通信教育部と別科、高等学校・特別支援学校高等部の専攻科へ進んだ者も含まれるためである。
専門学校への進学者は137,876人・14.4%、就職者は131,522人・13.8%である。専修学校の一般課程等への入学者は31,413人・3.3%、公共職業能力開発施設等への入学者は4,236人・0.4%だった。
| 進路 | 人数 | 卒業者に占める割合 |
|---|---|---|
| 大学・短大 | 586,639人 | 61.4% |
| うち大学(学部) | 557,170人 | 58.3% |
| うち短大(本科) | 24,657人 | 2.6% |
| 専門学校 | 137,876人 | 14.4% |
| 就職 | 131,522人 | 13.8% |
| 左記以外 | 58,595人 | 6.1% |
「左記以外の者」には、死亡・不詳の者と、進学でも就職でもないことが明らかな者が含まれる。進学準備中、就職準備中、家事の手伝いなどもここに入る。
10年間で大学・短大は7.8ポイント上昇
平成27年3月と令和7年3月を比べると、大学・短大への進学者割合は53.6%から61.4%へ7.8ポイント上がった。大学(学部)は48.0%から58.3%へ10.3ポイント上昇している。
一方、短大は5.1%から2.6%へ2.5ポイント下がった。専門学校は16.3%から14.4%へ1.9ポイント、就職は18.0%から13.8%へ4.2ポイント低下している。
| 卒業年月 | 大学・短大 | 大学(学部) | 専門学校 | 就職 |
|---|---|---|---|---|
| 平成27年3月 | 53.6% | 48.0% | 16.3% | 18.0% |
| 令和2年3月 | 54.7% | 50.1% | 16.4% | 17.5% |
| 令和5年3月 | 59.6% | 55.7% | 15.8% | 14.2% |
| 令和6年3月 | 60.7% | 57.2% | 15.1% | 14.0% |
| 令和7年3月 | 61.4% | 58.3% | 14.4% | 13.8% |
変化の方向は一様ではない。大学(学部)への進学割合が上がる一方で、短大・専門学校・就職の割合は下がっている。これは卒業者全体の進路分布の変化であり、個々の進学理由や就職先の良し悪しを示す数字ではない。
「進学率」には分母の違う指標がある
文部科学省の資料には、表3の「卒業者に占める進学者の割合」とは別に、過年度卒業者を含めた参考指標も載っている。令和7年度の高等教育機関への進学率は85.4%、大学(学部)・短期大学(本科)進学率は61.4%、大学(学部)進学率は58.6%だった。
これらの参考指標は、3年前の中学校・義務教育学校・特別支援学校(中学部)卒業者および中等教育学校前期課程修了者を分母にし、過年度卒業者を含む入学者を分子にする。一方、表3の割合はその年の高等学校等卒業者だけを分母にする。
大学(学部)・短期大学(本科)進学率の61.4%と、表3の大学・短大進学者の割合61.4%は、令和7年度はたまたま同じ値になっている。ただし大学(学部)だけで見ると、参考指標は58.6%、表3は58.3%で一致しない。同じ「進学率」という言葉でも分母と対象が違うため、記事や会話では区別が必要になる。
進路の数字から分かること、分からないこと
この10年間で、表3の集計上は大学(学部)へ進む割合が上がり、就職へ進む割合は下がった。専門学校への進学も、令和7年3月には卒業者の14.4%を占めている。高校卒業後の進路を「大学か就職か」の二択で見ると、専門学校や短大、進学準備中などの動きが見えなくなる。
ただし、割合の変化だけでは、なぜその進路を選んだのか、家計や地域による差がどれくらいあるのかまでは分からない。進路を考えるときは、全体の分布と個別の選択を分けて読む必要がある。
この記事の限界
- 数値は文部科学省の「令和7年度学校基本統計(学校基本調査の結果)確定値について公表します」表3に依拠した。e-Statの個別統計表を再集計したものではない
- 表3の「高等学校等卒業者」には、高等学校のほか中等教育学校後期課程と特別支援学校高等部の卒業者が含まれる。一般的な高校卒業者だけの集計ではない
- 文科省の注記では、「就職者」に大学・短大・専門学校等へ進学した者のうち就職している者も含まれる。そのため、就職者の数字を他の進路と完全に重ならない人数として読むことはできない
- 進路割合は全国集計であり、都道府県、性別、学科、家庭の所得、本人の希望などによる差はこの記事では扱っていない
- この統計は進路の結果を示すもので、進学・就職の理由、学習内容、卒業後の定着や満足度を示すものではない
出典(2026年8月2日閲覧): 文部科学省「令和7年度学校基本統計(学校基本調査の結果)確定値について公表します」(令和7年12月26日、PDF、表3「高等学校等卒業後の状況」)