不登校35万3970人、過去最多——12年連続の増加でも、増加率は鈍化した
小・中学校の不登校児童生徒数が、また過去最多を更新した。文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」から、数の推移と内訳を確認する。
小・中学校で35万3970人、12年連続の増加
| 区分 | 令和6年度 | 前年度 | 増加率 |
|---|---|---|---|
| 小学校 | 137,704人 | 130,370人 | +5.6% |
| 中学校 | 216,266人 | 216,112人 | +0.1% |
| 小・中学校合計 | 353,970人 | 346,482人 | +2.2% |
小・中学校合計は12年連続の増加で過去最多。ただし増加率は前年度の15.9%から2.2%へ大きく低下し、特に中学校は0.1%とほぼ横ばいになった。児童生徒1,000人当たりの不登校者数は38.6人(前年度37.2人)。
過去11年の推移: 2014年度からおよそ2.9倍
| 年度 | 小学校 | 中学校 | 合計 |
|---|---|---|---|
| H26(2014) | 25,864 | 97,033 | 122,897 |
| H27(2015) | 27,583 | 98,408 | 125,991 |
| H28(2016) | 30,448 | 103,235 | 133,683 |
| H29(2017) | 35,032 | 108,999 | 144,031 |
| H30(2018) | 44,841 | 119,687 | 164,528 |
| R1(2019) | 53,350 | 127,922 | 181,272 |
| R2(2020) | 63,350 | 132,777 | 196,127 |
| R3(2021) | 81,498 | 163,442 | 244,940 |
| R4(2022) | 105,112 | 193,936 | 299,048 |
| R5(2023) | 130,370 | 216,112 | 346,482 |
| R6(2024) | 137,704 | 216,266 | 353,970 |
2014年度の合計12万2897人から2024年度の35万3970人まで、10年余りで約2.9倍。特に2020年度(コロナ禍)以降の伸びが大きく、2020→2021年度は1年で約4.9万人増えている。
増加率が鈍化した内訳: 新規は減り、継続率も下がった
不登校者数を「新規(前回調査では不登校でなかった者)」と「継続」に分けると、増加率鈍化の中身が見える。新規不登校児童生徒数は小学校70,419人(前年度74,447人)、中学校83,409人(前年度90,853人)で、小・中学校ともに減少した。不登校継続率(前回不登校だった者のうち今回も不登校だった割合)も小学校71.7%(前年度75.2%)、中学校77.1%(前年度80.7%)へ低下している。新規が減り、継続からの離脱も増えたことで、全体の増加率が下がった——ただし減少そのものには至っていない。
高校は減少に転じた
| 区分 | 令和6年度 | 前年度 |
|---|---|---|
| 不登校生徒数 | 67,782人 | 68,770人 |
| うち新規 | 48,869人 | 50,868人 |
小・中学校が過去最多を更新する一方、高校は988人減少している。母数となる高校生数自体が減少局面にあることには注意が必要だが、小・中学校とは異なる動きを示している。
学校が把握した「きっかけ」の内訳
学校側が把握した不登校の事実(複数回答)は、小・中学校では「学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった」(30.1%)が最も多く、「生活リズムの不調に関する相談」(25.0%)、「不安・抑うつの相談」(24.3%)、「学業の不振や頻繁な宿題の未提出」(15.6%)と続く。高校でもほぼ同じ順で、「やる気が出ない」26.9%、「生活リズムの不調」26.2%、「不安・抑うつ」16.0%、「学業の不振」12.8%だった。
相談・支援を受けている児童生徒は95.8%
不登校児童生徒のうち、学校内外の機関で専門的な相談・指導を受けていたのは61.7%(21万8246人)。これに担任等から週1回程度以上の継続的な相談・指導を受けていた児童生徒を加えると、何らかの相談・指導を受けていた割合は95.8%(前年度と同水準)になる。学校外の機関等での学習を指導要録上の出席として扱った児童生徒は4万2978人、自宅でのICT等を活用した学習を出席扱いとしたのは1万3261人だった。
この記事の限界
- ここでの「不登校」は、年間30日以上欠席し、心理的・情緒的・身体的あるいは社会的要因・背景により登校しない(できない)状態にあると学校が判断した児童生徒を指す統計上の定義であり、本人・家庭の主観的な受け止めとは一致しないことがある
- 「きっかけ」の内訳は学校側の把握・複数回答に基づくもので、本人・家庭への直接調査ではない
- 2020〜2022年度は長期欠席の理由に「新型コロナウイルスの感染回避」が別区分として存在した時期があり、年度をまたいだ単純比較には注意が必要
- 都道府県別・学年別の詳細な内訳は今回の概要資料に含まれておらず、この記事では扱っていない
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