学歴と賃金の実数——生涯賃金の差は4,000万円を超える
学歴に意味があるのかという議論は尽きないが、賃金統計は感情と無関係に数字を出し続けている。公的統計の実数を確認する。
生涯賃金: 差は4,000万円超
労働政策研究・研修機構(JILPT)「ユースフル労働統計2024」による生涯賃金(フルタイム正社員を60歳まで継続、退職金含まず):
| 区分 | 高校卒 | 大学卒 | 差 |
|---|---|---|---|
| 男性 | 約2億880万円 | 約2億5,150万円 | 約4,270万円 |
| 女性 | 約1億5,440万円 | 約2億190万円 | 約4,750万円 |
月額給与: 大学院卒は高卒の1.7倍
厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査」の所定内給与額(月額・一般労働者):
| 学歴 | 月額 |
|---|---|
| 高校卒 | 28.9万円 |
| 専門学校卒 | 30.7万円 |
| 高専・短大卒 | 30.7万円 |
| 大学卒 | 38.6万円 |
| 大学院卒 | 49.7万円 |
数字の読み方に、3つの注意
第一に、これは相関であって因果の証明ではない。大学に行ったから稼げるのか、稼げる資質の人が大学に行くのか、統計だけでは切り分けられない。第二に、平均の差であって個人の運命ではない。高卒で大卒平均を超える人も、その逆も普通にいる。第三に、この統計は過去の労働市場の記録だ。AIが労働市場を変えつつある今、この差が20年後も同じ形で残る保証はない——むしろ変わり方を考えることにこそ意味がある。
それでも、教育投資の判断材料として「現時点の実数」を知らずに議論するのと、知って議論するのとでは質が違う。
この記事の限界
- 生涯賃金は「同一企業・フルタイム継続」の仮定に基づく推計で、転職・非正規・離職を含む実態はもっと複雑
- 学歴「間」の差であり、大学の偏差値・専攻による「内」の分散は扱っていない
出典(2026年7月6日閲覧): 労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2024」生涯賃金(jil.go.jp PDF)/ 厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査 結果の概況」(mhlw.go.jp)
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